「兼定島酒造りの里」に鮮やかなピンク色の芝桜が咲きそろう頃、弊蔵の醸造蔵である「龍翔蔵」では、「皆造(かいぞう)」を迎えます。皆造とは、酒蔵ですべてのお酒を搾り終えることを指し、この日で本酒造年度の酒造りが終了いたします。蔵元、社員全員で盛大に蔵人さんの労をねぎらう「甑倒(こしきたお)し」の宴のようなイベントはございませんが、この日から杜氏をはじめ蔵人は「麹」「酵母」といった微生物のことを気にせず、ゆっくりと眠れるようになります。10月の蔵入りから数えて7ヵ月後の待ちに待った日です。 そして、この時期は新たな酒造りのスタートでもあります。福井県大野市の圃場では酒造好適米「五百万石」の田植えが始まります。最近は大野市阿難(あど)祖(そ)地頭方(じとうほう)の酒米生産者の方とも交流が盛んになっており、今年は弊社の「試験田」にて弊社社員も五百万石造りに携わることになりました。まずは田植えですが、小さな試験田ですので手植えに挑戦する予定です。この「試験田」の様子は、季節ごとにこの蔵日記でも紹介させて頂く予定ですので、お楽しみにお待ちください。
*先月号の蔵日記で予告いたしました新しいシンボルマークのご紹介は、来月にさせて頂きたいと思います。
「信州のいいところ」
眩しいほどの木々の緑が初夏を思わせる清々しい季節を迎えましたが、蔵では秋に出荷する製品の瓶火入れや、瓶貯蔵の詰めが続いております。 さて、今月は信州のいいところといたしまして、「しなの山林美術館」をご紹介いたします。(写真)お気づきの方もいらっしゃると思いますがこの美術館は弊社の敷地内にある美術館です。大澤酒造が実家である「大澤邦雄画伯」の発案で始まり、当時所属していた「日本山林美術協会」の先生方の協力で出来上がった美術館であります。この美術館が今年の7月で20年を迎えることから中の作品を総入れ替えをして「開館20周年記念 しなの山林美術展」を開催することになりました。各地の山々など四季の自然を題材にした日本画、洋画、版画が50点ほどと、彫刻、工芸作品が展示されております。 事務局の伊勢正史先生はじめ、地元佐久の鈴木公人先生にもご苦労をおかけしての開催に感謝しているところですが、見ごたえのある作品が展示されておりますので是非御覧いただければと思っております。これを記念いたしましてこの日記を見てご来館いただきました先着10名様に粗品を進呈したいと思いますので、ご来館時に「花山のホームページの日記見たよ」と応対したものにお伝え下さい。 8月末日まで受け付けておりますのでご来館心よりお待ちいたしております。 また、今月11日は「母の日」ですがこの日に欠かせない「カーネーション」の生産量は長野県が日本一ということをご存知でしょうか?もちろん母の日だけでなく花束やフラワーアレンジメントにも重宝されるため一年中出荷されています。寒暖の差が大きいと花の発色がよくなることで品質が高く評価されているとのことです。 桜は葉桜となってしまいましたが、これからはツツジが咲き始めます。今月発売の大吟醸明鏡止水で春二度目の花見酒とまいりましょう。
〜亀日記 2008年5月〜 5月に入り新酒の出荷に追われる季節となりました。又、地元でも酒の会が始まり、4月26日は地元岡部町の『イーハトーバ日本酒バー』で初亀の会が、4月30日は焼津地酒クラブ主催の『志太の地酒の会』 6月に入りますと『第16回志太平野美酒物語』が焼津の松風閣で着席スタイル定員430名で開催されます。今回チケットの売れ行きが早く完売してしまいました。5月18日には神楽坂『たまねぎや』さんで9月7日には東京で『第11回静岡県地酒祭り』が恕水会館で開催されます。チケットの申し込みは8月初旬に静岡県酒造組合で受け付けますが、例年2時間余りで完売いたしますのでご注意下さい。
「こしき倒し、そして皆造」 3月に入りました。酒造りの喧騒に包まれていた蔵も、こしき倒し(最後のもろみの留仕込みのこと)が終わると酒造りに使っていた道具の片付けに入ります。ついこの間までヒリヒリするほどの緊張感に包まれていたのと同じ蔵とは思えないほど、のんびりとした空気が蔵を覆います。 とはいえ、それは見かけだけのことで、まだ搾っていないもろみの管理や上槽(もろみを搾ること)もありますし、何よりこの時期はきき酒に大忙しなのです。 搾った直後やオリ切りを行った後、ブレンドを行った後にはかならずきき酒と成分分析を行いますし、火入れのタイミングを計るためのきき酒もこの時期はかなり頻繁に行われます。そうしているうちに在庫の減ってきた商品やこれから発売予定の商品の瓶詰めに向けて、半製品(原酒)のきき酒も行われます。 そして何より、4月初頭には日本酒業界で最大のイベントとも言える「全国新酒鑑評会」に出品酒を送り出さなければなりません。そのため3月は「全国」に向けて県の鑑評会や近隣の蔵同士で行う「持ち寄りきき酒会」などきき酒のイベントが多く、その結果を元に数あるタンクや斗瓶から出品候補酒を絞り込み、必要があればブレンドも検討するため、結構な回数のきき酒をこなすことになります。 意外にも春陽に水ぬるむ3月は、杜氏にとってとても忙しく悩ましい時期なのです。
「寒の戻り」 4月に入りまして、宮城県石巻地方は小春日和とはいかず3月後半より寒が戻った気候になっていて、低気圧が通過すると雪混じりの雨といった状況で、まだまだ寒いです。 とは言いましても当蔵も3月23日に無事にこしき倒しを向えることが出来まして、朝からの仕込み作業がなくなり、気分的には春そのものといった感じでございます。 さて先月の『花山様春のきき酒会』ではたくさんのお客様にご来場頂き、当墨廼江ブースにも大勢の方が立ち寄ってくださいました。改めまして厚く御礼申し上げます。当日持参出来ませんでしたお酒も現在、次々にビン詰致しております。どうか出荷の際には何卒宜しくお願い申し上げます。 蔵の作業はまだまだ搾り・火入れ・ビン詰と、あと一ヶ月程気を抜けませんが、最後まで細心の注意を払ってがんばって精進してまいります。
4月になると、酒蔵内は、静けさがもどってきます。10月10日から始まった酒造りがすべて終了します。振り返ると長くも、短くも感じる半年間でした。 4月の上旬に最後の作業である「火入れ(低温殺菌)」を終え、家杜氏はじめ、蔵人たちが、故郷 能登へ帰郷します。 10月の中旬に始まった酒造り。喜多酒造の杜氏として、2年目の家修杜氏。様々なことを、相談しながらの、毎日でした。「米の様子はどうだろうか?」「しぼったお酒は、どんなできばえだろうか?」いろいろなことを心配したり、喜んだりの半年間でした。夜遅くまで、酒を酌み交わし、「喜楽長」の将来を語ったひととき。いろいろなことがありました。事故もなく酒造りを終えられ、家杜氏はじめ、蔵人の努力に感謝、感謝であります。 これからは、家杜氏はじめ、蔵人たちが、早朝4時からの作業の中で、丹精をこめて醸してくれた「喜楽長」を、きちっとした貯蔵管理をして、皆様にお届けできるように、努力していかねばなりません。 家杜氏始め、蔵人を見送った時、ほっとすると同時に、寂しさを感じる4月であります。